
中国大ヒットドラマで学ぶ中国語 『似水年華 歳月、水のごとく』 毎月15日発売

第1号(第1・2話)
●第1話
町の名は烏鎮。歴史ある立志書院は、今は古籍の図書館になっている。文と斉おじさんは書院で生活を共にしながら蔵書の修復をしている。 太陽が昇り書院の大門が開かれると、いつも通りの静かな日常が始まる。 黙黙は町に住む活発な女の子、密かに文に想いをよせている。黙黙は毎朝、酒屋で甘酒を飲んでから書院に寄り、登校するのが日課だ。 そんなある日、町に台湾から有名ファッションデザイナー英が率いる撮影チームがやってきた。 書院の庭はスタッフの休憩所となり、にわかに活気づく。 書院の古いたたずまいに深い感動を覚える英。翌朝、一人で書院を訪れた英が書棚から本を引き抜くと、向こう側に文が立っていた。その瞬間、まるで時が止まったかのように見つめあう二人だった。
●第2話
斉おじさんは、本を探しに来た英を文に紹介する。しかし文の態度はそっけない。書庫を見学していた英が、本を手に取り見ていると、貴重な古書だから触らないでくれと文に厳しく注意される。英は後味の悪さを引きずっていたが、追いかけてきた文に書庫での非礼を詫びられると、一気に晴れやかな気持ちになった。そして2人は、烏鎮を歩きながら束の間の雑談を楽しんだ。 台湾に帰る前夜、英は斉おじさんや勁一家を夕食に招く。英は眠れない夜を過ごし、夜明け前、ひとり散歩に出かけた。すると偶然、文も散歩に出ていたのだ。たわいもない話をしながら静まりかえった烏鎮を歩く文と英の前に、逢源双橋が姿を現す。左右に並んで架かけられた橋の間は欄干で隔てられていて自由に行き来はできない。双方の橋の上でたたずむ2人の目が合い沈黙が流れる。 宿に戻ってもなかなか寝付けない英は文に電話をかけ「贈り物を渡したい」と告げる。宿に贈り物を取りに来た文に英はワインをすすめる。グラスに注がれたワインをゆっくり飲み干した文は、ふいに英を抱きしめた。
第2号(第3・4話)
●第3話
烏鎮から台北に戻った英は、フィアンセである雄のオフィスに寄った後で入院中の父を見舞う。英の父は北京出身で戦争中に台湾に来た元軍人。今は娘の結婚を待ち望んでいる。 雄は英を親友たちとの食事会に誘う。2人だけで静かに過ごしたいとワガママ言う英を雄は優しくたしなめる。雄に優しくされると英の罪悪感と寂しさは募る一方だった。 烏鎮の書院では英が文に送った『ピアノレッスン』の曲が流れていた。文はあの早朝の出来事がどうしても現実とは思えず、自問自答を繰り返していた。そんな文に斉おじさんが軽い気持ちで黙黙との結婚話を持ち出す。しかし文は「黙黙はまだ子供だ」と言って相手にしない。一方、密かに文に想いを寄せる黙黙は、文に会うたびに自分の気持ちを伝えようとするが、結局は何も言えずじまい。しかし文はそんな黙黙の気持ちに気づいていたのだ。 こうして台北と烏鎮の変わらぬ日常が過ぎて行く。そんなある日、書院の電話が鳴った。その電話は斉おじさんが50年間待ち続けた人からだった。
●第4話
一年に一度の春節。烏鎮の町は伝統的な年越しの準備に色めきたち爆竹の音が鳴り響いている。斉おじさんは文の両親の墓参りに出かけ、墓前で酒を飲みつつ文との生活の近況を語る。 英は烏鎮から帰って以来、文の存在が頭から離れず雄の顔を見るたび自責の念にかられていた。そんな時、黙黙から新年のグリーティングメールが届く。そこには「また来てね」の文字が添えられてあった。一緒にメールを見た雄は、いつか一緒に烏鎮に行こうと英を誘う。 同じ頃、文も自分自身の気持ちに戸惑っていた。愛にしてはあまりにも痕跡がないが、英の面影を追い深い幻想の闇に吸い込まれる自分がいた。そして英と同じように「忘れなければ」と自分に言い聞かせるのだった。 新年を迎えた書院に、英から新年のカードと烏鎮で撮影した記事が掲載された雑誌が送られてきた。斉おじさんや黙黙一家に宛てたカードはあるものの、文宛てのカードだけがなかった。 ある夜、英は雄に「一緒に烏鎮へ行こう」と切り出す。
第3号(第5・6話)
●第5話
斉おじさんは、何十年ぶりに台湾から上海へ来ている思い出の女性・瑩に宛てて手紙を書く。そしてその手紙を上海まで届けるよう文に頼むが、文は気が進まない様子だ。斉おじさんは「瑩は文の父親の親友でもあるのだから」と、文を上海へ送り出す。 雄は久々の休暇を英と自宅で過ごしていた。いつも家に独りでいることに慣れていた英は、ささいな事をきっかけにイライラし始める。自分が忙しく一緒に烏鎮へ行けなくなったことで英が怒っていると勘違いした雄は、「先に一人で烏鎮に行けば」と提案するが、英は「行く気はない」とそっけない返事をする。しかし雄は親切心から何度も烏鎮行きを勧める。自分の気持ちを分かってもらえないもどかしさに、英の気持ちはますます不安定になっていく。 英は病院へ行き、父に相談する。父は「問題を直視し、逃げることなく考え、理解しようとすれば答えは見つかる」と励ます。英が家に帰ると、仕事に出かけた雄の伝言メモが残されており、メモには英の大陸往来通行証とパスポートが添えられてあった。
●第6話
斉おじさんと勁が酒屋で杯を酌み交わしている。酔いがまわってきた斉おじさんは勁に、ある女学生に恋をして烏鎮で待ち続けることになった若き日の思い出を語る。 次の日の早朝、英は台北の空港にいた。英は雄に電話をかけ、再び烏鎮に行くことを告げる。相変わらず仕事に追われている様子の雄だったが快く英を送り出す。同じ頃、烏鎮では黙黙が酒屋で眠りこける勁をたたき起こしていた。「英さんが来るから車で迎えに行け」と。 書院では斉おじさんや黙黙が暖かく迎えてくれたが、そこに文の姿はなかった。文は上海に行ったと知り、英は内心ホッとする。しかし黙黙に案内されて文の仕事場や部屋を見ているうち、文に会えないことを残念に思っている自分の気持ちに気がつく。 書院での夕食に招待された英は、ひとまず宿に帰り荷物の整理をすることにする。英は旅行カバンを引き記憶をたどりながら宿への道を歩いていた。そして英が宿の近くにかかる小さな橋にさしかかった時、ちょうど上海から帰って来た文とバッタリ出会う。
第4号(第7・8話)
●第7話
食事会に現われない英を誰が迎えに行くか相談していると、突然文が名乗り出た。文の積極的な態度に皆は一瞬言葉を失うが、斉おじさんは、前回は失礼な態度だったから今回は埋め合わせができていいと文を行かせることに。文にしてみれば、昼間宿の下で待つと約束したものの一人で帰ってきてしまったことで英が遅れているのではという懸念があったのだ。 英と文が書院に着くと、皆そろって斉おじさんの手料理が並ぶ食卓を囲み、久しぶりの再会を喜び合った。和やかな時間はゆったりと過ぎてゆき、その談笑の中で、文と英は時おり視線を合わせ微笑みを交わしていた。その夜、斉おじさんは文から瑩の近況を聞き、瑩からの土産である懐中時計と手紙を手渡された。 2日目、黙黙の誘いで文、英、東東の4人は「蘭花祭り」の見物に出かけた。烏鎮の町を歩き回っているうち、4人はいつの間にかはぐれてしまった。文は狭い路地の真ん中で一人たたずむ英を見つけた。数十歩の距離をおいて見つめ合う2人の気持ちが狭い路地で交錯する。英に近づく文。すると突然、文は英の手をつかみ走り出した。
●第8話
手をつないで走っていた文と英は、不思議な世界へ入り込んでいた。そこは美しく紅葉した林の中で、空には雁の群れが飛び、風が2人のかたわらを吹きぬけていく。文は「ここの木の葉は人の拍手を聞いて落ちてくる」と言うが英は信じようとしない。文はかまわずやってみせると、葉がヒラヒラ舞い落ちてきた。信じ難い光景を目の当たりにした英は、奇跡の存在を信じずにはいられなかった。しかし台湾では珍しい紅葉の景色の中で、烏鎮との距離をあらためて実感する英。感傷的になる英に文は愛を告白する。文は、たとえこの時間が夢でも、自分の寡黙さゆえに2人の間に起きた奇跡を逃したくなかったのだ。英には文の言葉が夢ではなく現実だと分かっていた。 黙黙がぼんやり外を眺めていると、何か思いつめた表情の文が通りかかる。手に藍染めの布を握りしめ文は突然走り去って行った。黙黙は文が英の滞在する宿へ行ったことを悟る。 英の耳に文が走る足音が聞こえた。英は思わずドアに駆け寄り、ガラス越しに文の姿を確かめると、ゆっくりと部屋のドアを開けた。その瞬間、文は英をきつく抱きしめた。
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